聴くAR


聴くARは、ある地域に入ると音楽が聴こえる、というARです。2019年11月1日、Courtier Co.,Ltd.は、ロケーションAR を使ったクラウドサービス「Come Here」を発表しました。スマートホンの画面上に、エアータグを空中に浮かせ、クリックすると音楽が流れる、購入したい場合は通販サイトに飛ぶ、というサービスを2020年初頭から始めます。

第3の媒体「空」を開発し、ロケーションAR技術を使って実現しています。

ロケーションARを使うと、空中にエアータグが出るため、来訪者にとってわかりやすく利用しやすいという利点があります。

基本技術には、オーストリアのWikitudeSDKを採用し、日本語機能、データベース機能(AWS)、データInput機能を付加し、エアータグから詳細データ(画像、音声、動画)が提供されます。


聴くARをいち早く始めたのは、2018年5月に発表した、エイベックス社のSARFでした。この特徴は聴覚に直に働きかけるARで、スマホなどのディバイス機器に制限を持たせていないことです。

画期的な挑戦ですが、ユーザーにとっては、どこで配信されているのかわからないという課題があります。

これに対して、2019年11月に発表した、Courtier 社のARは、ユーザーフレンドリーな、使いやすさを追求するため、空にエアータグを浮かべそれが見えればクリックするだけ、という操作にしてあります。ディバイスは2020年初頭のサービス開始時点で、Android スマートホンだけ、という個人が多くもつ機器に限定しています。(2020年中にVuzixのスマートグラスに対応する予定)


聴覚に働きかけるARは珍しいのでその説明も掲載します。

「SARF」とは

「SARF(Sound Augmented Reality Factory)」事業は、音楽の新しい楽しみ方、新しい体験を、ARの仕組みを用いて演出する取り組みです。スマートフォン・PC・AIスピーカーなどの既存デバイスと定額制音楽ストリーミング配信サービスを結合し、音楽コンテンツを含むサウンド(聴覚)や振動(感覚)によって、今までに無いAR体験をリリースしていきます。

現状主流のARコンテンツ及びデバイスの開発は、現実空間上に新たなビジュアル情報を重ねて表示するといった、“視覚”の拡張を前提するものです。これらのARはスマートフォンなど既存のデバイスの画面に依存しているため、視聴範囲の制限が課題となっています。また、それを解消するデバイスもいまだ開発段階のため、ARを最大限享受できない状況が見受けられました。

「SARF」がベースとする音声ARは、デバイスの制約や利用シーンの制約を受けない聴覚による拡張を前提としています。視覚によるARと比べて、幅広いシチュエーションでの導入が可能です。